槙野は「代表で求められる3枚の仕事は、攻撃よりも守備のところ」と語った。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 日本代表が26日、千葉県内でトレーニングを行なった。合宿6日目のこの日は、西野体制下で初のフォーメーション練習を実施し、3-4-2-1をテスト。主に3バックの左に入った槙野智章が、トレーニング後に新システムの狙いを明かした。
 
 槙野はまず「3枚にせよ4枚にせよ、選手のキャラクターや良さを引き出すためのシステムだという話がありました」と切り出したうえで、「代表で求められる3枚の仕事は、攻撃よりも守備のところ。僕がボールを持って前線に駆け上がることはないと思います」と説明。続けて、「しっかりとマッチアップして相手選手のところに行けるシステム。前線の選手のファーストディフェンスがハッキリすることで、取りどころがハッキリしているのが、このシステムの良さだと思っています」と語った。
 
 こうした槙野の言葉からも分かる通り、平たく言えば”守備から試合に入る”というのが、3-4-2-1採用時の基本コンセプト。そのうえで、「中盤のワイドの選手ができるだけ最終ラインに吸収されないようなやり方」を徹底し、「できるだけ高い位置でプレス」をかけて攻撃につなげるのが狙いだという。
 
 とはいえ、これはあくまで理想形の話だ。ワールドカップで対戦するコロンビアやポーランドと言った強豪との力関係を考えれば、どうしても押し込まれる展開が予想される。槙野もそれは理解しており、1分3敗に終わった昨年11月と今年3月のベルギー遠征を引き合いに出しながら、次のように述べた。

「クオリティの高い相手に対してどういう守り方をするか。中盤のワイドの選手が最終ラインに吸収されると、なかなかうまくいかない。そうならないようにすることが一番大事」

 そこで重要になって来るのが、「ストッパー」の役割だという。

「僕たちのポジションのマッチアップがかなりポイントになる。そこで逆に相手を潰して自由にさせなければ、攻撃を活性化できると思っています」

 広島時代から3バックに慣れ親しんできた槙野だけに、システムを機能させる肝は見えている。3-4-2-1の導入時には、今まで以上に存在感を増してきそうだ。