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「滑り込みでメンバー入り」の田川亨介、仲間の力がなければ自分は輝かない

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U-20日本代表FW田川亨介(鳥栖)

 自身でも感じている。「滑り込みでメンバーに入った」ということを――。長い時間をかけて作り上げられてきたチームにすんなりと入ることは容易ではなく、自身の特長を活かし切れないもどかしさもある。しかし、U-20日本代表FW田川亨介(鳥栖)は、残された時間の中でさらなる連係向上を図り、世界の舞台で暴れようとしている。

 試されたのはギリギリのタイミングだった。5月2日のU-20W杯メンバー発表前の最後の活動となった4月の千葉合宿で、約8か月ぶりにチームに招集された田川は、アピールに成功して見事に世界に挑む21人に選出された。「直前の合宿でなかなかうまくいかないところもあったので、不安な部分はちょっとあった」ようで、メンバー入りに「ホッとした」と当時の心境を振り返っている。

 今月11日から始まった静岡合宿では、12日に磐田と練習試合、そして15日にはU-20ホンジュラスとの親善試合が行われた。ともに途中出場で最前線に入り、磐田戦では決定機にも顔を出したものの、自慢のスピードを活かす場面は限られた。

「急に滑り込んできたこともあって、なかなかボールを呼び込むタイミングが合わないところもあります。でも、やりつづければ他の選手も分かってくれると思うので、継続することが一番だと思っています」

 独力でドリブル突破して状況を打開するタイプではなく、周囲の助けがあってこそ持ち味を発揮できるタイプだと十分に理解しており、自身が輝くには「チームメイトの力が必要。そこが一番です」と強調する。残された時間は限られているが、ゼロではない。ピッチ内外でのコミュニケーションを深め、「ゴールにこだわっていきたい」と世界の舞台でのゴール奪取を狙う。

(取材・文 折戸岳彦)
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