ザルツブルクFW南野拓実(22)が、リーグ最終節のアルタッハ戦にフル出場した。既にリーグ優勝を確定させ、来週オーストリアカップ決勝を戦うザルツブルクは、主力のほとんどを休ませ、この試合に挑んだ。

 南野は2トップの一角でフル出場。守りを固める相手守備に味方がうまくボールを運べず、いい形でボールをもらう機会は少なかった。時折、守備陣からの縦パスをうまく引き出し、攻撃の起点になりかかるが、控え組中心のメンバーということもあるのか、そこからパスがつながらないことが多かった。

 前半14分、相手ペナルティーエリア付近でこぼれ球を拾うと素早くFWボルフへパス。ボルフのシュートはDFにブロックされる。同28分にはタイミングのいい動きだしでライナーからパスをもらう。トラップから持ち運ぼうとして倒されるがノーホイッスル。同33分、クロスを胸トラップからシュートに持ち込もうとするが打てず。同39分には、ペナルティーエリア内フリーでボールを受けるとワントラップから素早くシュートに持ち込んだが、DFの足に当たってCKへ。絶好機を逃し、頭を抱えた。

 後半も我慢強くチャンスを待つ展開。後半12分、右サイドライナーのクロスをファーポストから折り返すが味方には合わず。同37分、カウンターからボールを受けるとゴール前でフリーのMFオバーリンにリターンパス。だが、トラップが足元に入ってしまい、ゴールできない。終盤は選手交代の流れでトップ下でプレーした。

 なお、この試合唯一の得点はセットプレーから生まれた。前半37分、MFベリシャが右サイドからのFKをゴール前に蹴りこむと、アルタッハDFツィボティッチに当たってそのままゴールへ。結局このオウンゴールが決勝点となり、ザルツブルクが勝利。ザルツブルクは勝ち点を81と延ばし、年間最多勝ち点記録を達成した。

 試合後の優勝セレモニーで、南野は笑顔でチームメートと喜び、ゴール裏のファンに向かって優勝皿を掲げた。試合後は「やっぱり優勝するのは気持ちいいですし、自分のキャリアにとってそれは重要なことだと思うので。今シーズンも良かったと思います、優勝できて」などと話した。

(中野吉之伴通信員)