決勝トーナメント1回戦・ベネズエラ戦予想布陣

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 グループリーグを3位で突破した日本は5月30日、ベネズエラとの決勝トーナメント1回戦に臨む。

 イタリアとのグループリーグ3戦目から中2日で迎えることもあり、「3試合をしてきているので、(身体が)重いのは当たり前」(内山篤監督)と疲労感は隠せない。しかも日程面では、中3日で迎えるベネズエラにややアドバンテージがある。

 そのベネズエラは、ドイツ、バヌアツ、メキシコと同居したグループリーグを1位で突破。3試合をすべて無失点に抑えたうえ、10得点を奪った攻撃力も見逃せない。破壊力とスピードを兼ね備えた前線は、ここまで4得点を挙げて得点ランクトップに立つコルドバ、スペインのラス・パルマスBでプレーするペーニャ、A代表歴もあるペニャランダらの個人技には十分な警戒が必要だろう。

 加えてベネズエラは「早い時間での得点が多い」(中山雄太)のも特徴的なだけに、立ち上がりの失点が目立っている日本としては、守備陣の奮起が不可欠。集中力を保ち、粘り強く耐え切ったうえで「失点は前後半の最後の方で多い」(中山)相手の隙を上手く突きたい。

 先発の顔ぶれは、「フレッシュな選手を含めて、相手も見ながら(選ぶ)」(内山監督)と明言したなかで、前線ではここまでの出場機会がウルグアイ戦の終盤2分間に限られていた郄木彰人に出番が回ってきそうだ。

 ベネスエラ戦の前日練習では、岩崎悠人と2トップでコンビを組み精力的にプレー。本人が「このチームにおいて、公式戦でFWを務めるのはあんまり記憶にない」と言うように、代表では主にサイドハーフを任されてきたが「チームでも(FWを)やっている」(内山監督)こともあり、問題はないだろう。

 むしろ郄木は「練習の時にFWの位置で呼ばれた時はやっぱり嬉しかった」と歓迎しており、縦への突破力やシュートセンスの高さはゴール前でより生かしやすくなるはずだ。フレッシュな状態で臨める点もありより期待感は膨らむ。

 また攻撃陣では、イタリア戦で2ゴールを挙げた堂安律にもやはり注目が集まる。独特なステップを刻む巧みなドリブルは世界でも十分に通用することは証明済みで、いかに前を向いてプレーできるかもひとつのポイントだろう。

「怖いところに入って行ければ、簡単に点が取れるのは分かってきた」と、試合を重ねるごとに自信を付けているのは実に頼もく、自らが得点した南アフリカ戦、イタリア戦のように、チームを救う活躍に期待したい。

取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)